核酸オリゴマー合成の重要な要素の一つですね。
アミダイト法(亜リン酸トリエステル法)になくてはならないアクティベーター。1H-tetrazoleがいまだに広く使われているのではないかと思います。
個人的に、アクティベーター選択で大切なのは、酸性度、溶解性、爆発性、求核性の有無だと思っています。
酸性度: 活性化能に大きく関わるので大切です。一時期、ジクロロ酢酸(DCA)をアミダイトの等量以下で用いることができるという研究もありましたが、最近は見かけません。酸性度が高すぎると、DMTr基が落ちて、オーバーカップリングのリスクがあります!。
溶解性: 合成機のメンテナンスに大きく関わります。配管がつまる!昔のABIの装置もTETが詰まったりして、送液不良が起きたりしましたね。このあたりから、使用後は、配管をすべてアセトニトリルに置換しましょうってラボルールができたように思います。わたしは、MerMade192でBTTをつかっていましたが、配管の先からBTTが氷柱のようになることがありました。oligopilot
100で大きめのスケールで合成するときに、高濃度の溶液が作成できないのはすこし困るかもしれません。
爆発性: 固体での扱いがすこし怖いですよね。溶液なら安心かな。
求核性が無いこと: オキサザホスホリジン法でキラルなホスファイト合成を行なう際、重要です。
一般的な、アゾール類のアクティベータのデータは、手持ちのSigma(Proligo)のActivator42のプレゼン資料が分かりやすいので引用すると次の表になります。
テトラゾール(TET)は、固体のまま飛行機に積めません。化合物1分子あたりに窒素含量がおおすぎます。ちなみに自動車のエアバックに用いられているのは、5-aminotetrazoleです。
テトラゾール5位にエチルチオ(ETT)、ベンジルチオ(BTT)を導入すると酸性度がすこし上がります。ETTは溶解性も高いので使いやすいですね、爆発のリスクはすこし残ります。ニトロフェニルテトラゾール(NP-TET)は溶けにくいです。大学のときに先輩が2-nitrobenzylアルコールの誘導体のアミダイトの縮合が悪く、NP-TETを使っていたように思いますが、かれこれ20年ほど前。その時代では最新のアクティベーターだったのかもしれません。4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)は、かなり高濃度でつかえるので好きなアクティベーターです。ジアミダイトからアミダイトを合成する際にもよく用いられます。それからプロリゴのActivator42ですね。上述の欠点を補った、高級テトラゾールです。
今回はこの辺で。アクチベーターってまだまだ奥が深いですね。
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