2017年3月3日金曜日

LNA & 2',4'-BNA その1

X-tal structure of LNA-U (CCDC number: 1231048)
20周年おめでとうございます❗LNAの特許が切れたら、ますます核酸医薬が盛り上がるのか期待で一杯です。Wengel研にポスドクでお世話になっていたこともあるし、日本に帰ってからもBNANCを合成したりと、大学をでてから大分お世話になっている化合物です。いろんなところで話題になってますよね。今西先生、小比賀先生に配慮してBNAと併記するのが多いのですが、LNAと呼ぶのが一般化していると思います。

基本的には、完全に独立した研究で行なわれていたとされています。どちらが先に合成したのかは実験ノートを見ないと分かりません。論文発表は、今西先生の方が先でした。Tetrahedron Letters 1997 (Recieved 5/Sep., Accepted 3/Oct.)に掲載されています。小比賀先生が筆頭著者で、今西先生が責任著者でした。ウリジンとシチジンのDMTr体の合成と、結晶構造が出ています。ぼくの憶測ですが、この発表を見たWengel先生は急いでChemCommに投稿されたのだと思います (Recieved 28/Nov-97)。それからすぐフルペーパーを出しておられます。(Recieved 31/Dec-97)。デンマークは、国旗に十字架がありますし、クリスマスの休暇をしっかり取るお国がらなのに、それを返上してフルペーパーを投稿するくらい、必死で仕事をまとめたのではと思います。今西先生のほうはゆっくりしていて、次の4月にTmCDスペクトルのデータを出しておられます。結晶構造にしろ、CDスペクトルにしろ、合成したものの評価をしっかりやる印象がありますね。南デンマーク大にCDスペクトルを測定できる装置がきたのは、私がいたときでしたので研究設備は日本の大学の方がかなり恵まれています。

その後は、
Wengel研では、amino-LNA, thio-LNA, α-L-LNA, など
今西先生、小比賀先生は、ENA, BNACOC, BNANCなどなど
より高機能な誘導体が合成されてます。しかしながら、オリジナルのインパクトはすごいですよね。
個人的には、α-L-LNAも好きです。

LNA/BNAのシリーズは書くことがいっぱいあるのでまたの機会に。
2017.3.3 

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